パソコン間でのバックアップやファイル移動には、長年「FreeFileSync(FFS)」を愛用している。グラフィカルな画面で「除外するフォルダ」を直感的に選べるのが便利で、不要なファイルを弾いて同期を高速化するのが私の常だった。
だが先日、この「効率化」が仇となり、サブ機での現像作業がストップする事態に陥った。
1. 突然のLrC同期エラーと消失したマスク
深夜、メイン機からデータを移したサブ機でLightroom Classic(LrC)を立ち上げると、画面に無慈悲なエラーメッセージが表示された。
「……前はこれで、いけたはずなんだけどな」
編集したはずの「AIマスク」が反映されていない、あるいはカタログとの不整合を告げる警告。同期ソフトのFFS側は「正常終了」を出している。当初はカタログの破損や、ソフト自体の不具合を疑った。
2. 原因は「ゴミ」だと思い込んでいたフォルダ
原因を切り分けるためにWEBで調べていくと、自分の知識が古くなっていることに気づかされた。
Adobeの公式サイトを確認して判明したのは、LrC 11以降の仕様変更だ。「AIマスク」のデータはカタログ内部ではなく、*.lrcat-data/ という外部フォルダの中に保存される仕組みに変わっていた。
私が「容量を食うだけのプレビューキャッシュ(ゴミ)」だと思い込み、FFSの除外リストの特等席に放り込んでいたそのフォルダこそが、今のLrCにとっては現像データの心臓部だったのだ。
3. 設定の修正と今回の教訓
FFSは、私が設定した「除外」という命令を忠実に実行しただけで、何も悪くない。悪いのは、仕様が変わったことに気づかず、古いルールのまま設定を組んでいた私の方だ。
すぐにFFSの設定を開き、除外リストから *.lrcat-data/ のチェックを外した。同期をやり直すと、サブ機でも完璧にAIマスクが再現された。
「前はこれで大丈夫だった」という経験則に頼る危うさを、改めて痛感した夜だった。
【補足】LrC同期・バックアップ時の注意点
今回のエラーを防ぐための、現在のデータ構造のまとめ。
- **同期必須:
*.lrcat-data**
AIマスクやスマート選択範囲が格納されている。ここを除外するとマスクが消失する。
- **同期必須:
*.lrcat**
カタログ本体。
- **除外可能:
*.lrprev / *.lrdata**
プレビューファイル。同期先で再生成可能なため、速度優先なら除外しても致命的ではない。
2025年2月のアップデート(Ver 14.2〜)について
昨年、025年2月のアップデートにより、LrCのカタログ設定内に「バックアップ」タブが新設された。ここから過去のバックアップ履歴の確認や不要なファイルの削除が直接行えるようになっている。今回のような「データの棚卸し」をする際は、まずここをチェックするのが現在の正攻法だ。
詳細はAdobe公式サイトの最新ドキュメントを参照:
helpx.adobe.com