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【OM-1/Mark II徹底解説】高速連写とプロキャプチャーの真実!~ドライブモード完全ガイドで「撮り逃しゼロ」へ~

導入文: こんにちは!カメラマンのりょうです。

OM SYSTEM OM-1、そして最新のMark IIは、その驚異的な高速連写性能プロキャプチャーモードで、動く被写体撮影の可能性を大きく広げてくれました。これらの機能は、一瞬のシャッターチャンスを捉える上で非常に強力な武器となります。

しかし、OM-1/Mark IIには、非常に多くの連写モードが搭載されており、それぞれAF(オートフォーカス)やAE(露出)の追従性、そして「ブラックアウト」の有無といった特性に加え、「フラッシュ(ストロボ)の使用可否」や「使用できるレンズの限定」といった細かな制約が存在します。この特性を正しく理解していないと、せっかくのシャッターチャンスを逃してしまうだけでなく、意図しない結果になってしまうことも少なくありません。

今回は、このドライブモードの全貌に焦点を当て、OM-1/Mark IIの様々な連写モードとプロキャプチャーモードの特性を徹底的に解説します。これを知れば、もう「AFが合わなかった」という理由でシャッターチャンスを逃すことなく、最高の瞬間を捉えられるようになるでしょう。



OM-1/Mark II 高速連写の基本と驚きの性能

まず、OM-1/Mark IIがなぜ「動体撮影に強い」と言われるのか、その基本的な高速連写性能を確認しましょう。

  • 「ブラックアウトフリー」で快適連写: OM-1/Mark IIの大きな特長は、多くの高速連写モードでメカニカルシャッターのようなシャッター幕の開閉による「ブラックアウト(一時的なファインダー像の消失)」がないことです。これにより、動く被写体をスムーズに追尾しながら、まるで動画を見ているかのように連写し続けることができます。これは、被写体の動きを見失うことなく、次の瞬間を予測しやすくなるという、撮影体験における大きなアドバンテージです。
  • 「AF/AE追従」の重要性: 高速連写において、ただコマ数を増やせば良いわけではありません。重要なのは、その間もカメラがAF(ピント)とAE(露出)を被写体に追従し続けるかどうかです。被写体との距離や明るさが刻々と変わるような状況でも、カメラが賢く調整してくれることで、動体撮影の成功率が格段に向上します。OM-1/Mark IIは、まさにこの「AF/AE追従の高速連写」が大きな強みの一つです。

これらの機能が組み合わさることで、OM-1/Mark IIはスポーツ、野鳥、そして鉄道写真において、驚くほどのパフォーマンスを発揮するのです。

OM-1/Mark II ドライブモード徹底解説:それぞれの特性と制約の全貌

OM-1/Mark IIには、目的に応じて様々な連写モードが用意されています。それぞれのモードの特性を正確に理解することで、最高のパフォーマンスを引き出すことができます。

(参照:OM SYSTEM OM-1 スペックOM SYSTEM OM-1 Mark II スペック

【OM-1/Mark II ドライブモード詳細比較表】

モード名 最高連写速度 AF/AE追従性 ブラックアウトの有無 フラッシュ使用可否 主な特徴と使いどころ
〔連写〕 約10コマ/秒 AF/AE追従 あり 可能 メカニカルシャッターによる標準的な連写。フラッシュ使用可。一般的な動体撮影に。
〔低振動連写〕 約10コマ/秒 AF/AE追従 あり 可能 メカニカルシャッターの振動を抑える連写。三脚使用時やブレを嫌う風景撮影、マクロ撮影などに。
〔静音連写〕 約20コマ/秒 AF/AE追従 あり 不可能 電子シャッターによる静音連写だがブラックアウトは発生。静かに撮影したいが、連写速度よりもAF追従と快適性を優先する場面に。
〔静音連写SH1〕 約120コマ/秒 1コマ目固定 無し 不可能 AF/AEは最初の1コマで固定されるが、超高速連写が可能(通常の連写)。シャッター速度が高速側に制限され、フラッシュが禁止されます。
〔静音連写SH2〕 約50コマ/秒 AF/AE追従 無し 不可能 動体撮影に最適! AF/AE追従しながらの高速連写。使用可能なレンズが限定されます。(※注1)シャッター速度が高速側に制限され、フラッシュが禁止されます。主にスポーツ、野鳥、鉄道など、動き続ける被写体に対して快適かつ高精度な連写が可能。
〔プロキャプチャー〕 約20コマ/秒 AF/AE追従 無し 不可能 AF/AE追従しながら、半押し中の画像を記録する標準プロキャプチャー。使用可能なレンズが限定されます。(※注1)シャッター速度が高速側に制限され、フラッシュが禁止されます。動体の一瞬を捉えたい場合に。
〔プロキャプチャー連写SH1〕 約120コマ/秒 1コマ目固定 無し 不可能 AF/AEが固定される超高速プロキャプチャー。シャッター速度が高速側に制限され、フラッシュが禁止されます。AF/AEを気にせず一瞬を絶対逃したくない場合に。
〔プロキャプチャー連写SH2〕 約50コマ/秒 AF/AE追従 無し 不可能 動体撮影に最適! AF/AE追従しながら高速プロキャプチャー。使用可能なレンズが限定されます。(※注1)シャッター速度が高速側に制限され、フラッシュが禁止されます。動く被写体の一瞬を高速かつ高精度に捉えたい場合に。例:箱根登山鉄道がトンネルから飛び出す瞬間など。
  • 対応レンズについて:高速連写SH2系およびプロキャプチャー系モード共通 電子シャッターを使用する高速連写モードである、静音連写SH2、プロキャプチャー(約20コマ/秒)、プロキャプチャー連写SH1、およびプロキャプチャー連写SH2は、使用できるレンズが限定されます。 主に以下のM.ZUIKO DIGITAL ED PROレンズシリーズが対象です。 (参照:OM SYSTEM - プロキャプチャー撮影に対応しているレンズは何ですか?(デジタルカメラ OM-1)

    • M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II
    • M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
    • M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
    • M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC 1.25x IS PRO
    • M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO 注意点: これらは主な対応レンズであり、常に最新の情報はカメラのマニュアルや公式サイトでご確認ください。他社製マイクロフォーサーズレンズでは、これらの高速連写・プロキャプチャーモード(静音連写SH2、プロキャプチャー、プロキャプチャー連写SH1/SH2)は、連写速度が最大25コマ/秒以下に制限される、または正しく機能しないなど、性能に制約が生じる場合があります。 また、フォーサーズレンズ電子接点を持たないレンズ(BCL-1580 / BCL-0980 を含む)でも一部モードが非対応となりますので、ご自身のレンズが対応しているか、事前に必ずご確認ください。
  • テレコンバーター装着時の対応について テレコンバーターMC-14 / MC-20装着時も、高速連写SH2 50コマ/秒 または プロキャプチャーSH2 50コマ/秒の設定が可能です。(参照:OM SYSTEM - テレコンバーター MC-14 / MC-20 装着時のOM-1高速連写設定について)これは、超望遠撮影をされる方にとって大きなメリットとなるでしょう。

  • 最大撮影コマ数(バッファ枚数:OM-1/Mark II当社測定条件による参考値): (使用レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II、カード: KIOXIA KSDXU-A064G、スロット1を使用し、記録モード: 標準、低感度画像処理: 連写優先)

    モード名 RAW (OM-1) JPEG LF (OM-1) RAW (OM-1 Mark II) JPEG LF (OM-1 Mark II)
    連写・10fps時 約280枚 カード容量一杯 カード容量一杯まで カード容量一杯まで
    静音連写・20fps時 約143枚 約220枚 約405枚 約993枚
    静音連写SH1・120fps時 約92枚 約94枚 約213枚 約219枚
    静音連写SH2・50fps時 約102枚 約117枚 約256枚 約309枚

この詳細な表を見れば、どのモードを選べば「AF/AE追従」するのか、そして「ブラックアウトフリー」で快適に連写できるのか、さらに「フラッシュが使えるか」、「使用できるレンズの限定があるか」、そして「何枚撮り続けられるのか」まで、一目で理解できるでしょう。

あなたに最適なモードはどれ?賢い選び方と活用術

では、この正確な情報に基づいて、様々な撮影シーンで最適なモードをどう使い分ければ良いのでしょうか?

  • 電車が動く!ピントを追従させたい動体撮影なら: 電車が駅を出発する、カーブを曲がる、紫陽花のトンネルを抜けるといった、被写体との距離や明るさが変化する状況では、迷わずAF/AE追従が可能なモードを選びましょう。

    • 通常の連写でピント追従なら: 〔静音連写SH2〕(約50コマ/秒)
    • プロキャプチャーでピント追従なら: 〔プロキャプチャー〕(約20コマ/秒) または より高速な〔プロキャプチャー連写SH2〕(約50コマ/秒)

    特に「プロキャプチャー連写SH2」は、高速ながらAF/AE追従が可能なので、「一瞬を逃したくない、でもピントは完璧に合わせたい」という鉄道写真に非常に心強い味方となります。ぜひ対応レンズと組み合わせて活用してみてください。

  • AF/AEが固定されるモードが活きる意外な場面: AF/AEが固定されるモード(静音連写SH1、プロキャプチャー連写SH1)も、活用次第で強力な武器になります。

    • 例1: 完全停車中の電車: 駅に停車している電車で、その表情や、その瞬間の光の変化など、AF固定で問題ない範囲での瞬間を狙う場合。最高の画質を追求できます。
    • 例2: 置きピン撮影: あらかじめピントを合わせておいた場所(例えば、電車が通り過ぎるカーブの特定の地点)に被写体が来るのを待ち、その瞬間を「超高速連写」で捉える場合。
  • フラッシュを使いたい場合: 日中シンクロなどでフラッシュを使いたい場合は、〔連写〕〔低振動連写〕モードを選びましょう。電子シャッターを使用する高速連写モード(静音連写SH1/SH2、プロキャプチャー各モード)ではフラッシュが使用できない点に注意が必要です。

カメラの性能を最大限に引き出すためには、単に「高速」というだけでなく、そのモードが持つ「AF/AE追従性」や「ブラックアウトの有無」、そして「フラッシュの使用可否」といった特性を正しく理解することが不可欠です。

まとめ:もう迷わない!ドライブモードを理解して「撮り逃しゼロ」へ

OM-1/Mark IIの多岐にわたる高速連写とプロキャプチャーモードは、適切に使い分けることで、あなたの写真表現の幅を大きく広げてくれます。

  • AF/AE追従が必要な動体撮影:
    • 通常の高速連写なら「静音連写SH2」
    • プロキャプチャーなら「プロキャプチャー(約20コマ/秒)」または「プロキャプチャー連写SH2(約50コマ/秒)」
  • AF/AEが固定されるが、超高速が必要な場合:
    • 「静音連写SH1」または「プロキャプチャー連写SH1」
  • フラッシュを使いたい場合:
    • 「連写」または「低振動連写」

この違いをしっかり理解することで、箱根登山鉄道と紫陽花の撮影でも、もうピントで悩むことはなくなるでしょう。

この情報が、あなたのOM-1/Mark IIでの撮影を、より楽しく、より確実なものにする一助となれば幸いです。ぜひ、あなたもカメラを手に、最高の瞬間を捉えてください。


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【執筆者(りょう)より】 今回の記事は、OM-1/Mark IIのような高性能カメラの機能を最大限に活かすためには、このような細部の正確な理解が不可欠であることを改めて痛感するきっかけとなりました。多くの方が同じような疑問や誤解を抱いている可能性があると感じ、そのプロセスも共有することで、より深く、より実践的な情報をお届けしたいと考えました。この情報が、皆さんの撮影の「なるほど!」に繋がれば幸いです。撮影についてのご質問や、こんな写真を撮ってほしいというご要望があれば、ぜひコメントでお聞かせください。

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