カメラと

カメラと日常の覚書

「その白いアジサイ、病気かも?」箱根登山鉄道で出会った、色の謎と元植木屋の考察

👋 はじめに:二つの「アジサイの光景」が教えてくれたこと

先日、箱根登山鉄道のアジサイを見てきました。 ただ、もう暑い日が続いているからか、少し元気がなくて日に焼けてしまった花もあって、ちょっと可哀想な気がしました。

それに、白いアジサイがすごく多くて。本当はもっと色とりどりの姿も見たかったのですが、友人にその話をしたら「それ、病気なんじゃない?」と言われて、すごく気になってしまって。

もしそうだとしたら、あの美しい白い花はアジサイのSOSだったのかもしれない…。 そう思ったら、いてもたってもいられなくなりました。

その探求のさなか、私はもう一つの忘れられない光景に出会います。 帰りの電車の中、おばあちゃんが、サランラップで無造作に巻かれたアジサイの枝を3本ほど、大切そうに抱えていました。 見事に咲き誇った花が付いていましたが、その武骨な扱いは、どう見てもお店で買ったものには見えません。

この二つの出来事を通じて、私はアジサイの生態だけでなく、私たちと植物との関わり方についても、深く考えさせられました。 この記事では、元植木屋としての知識も交えながら、アジサイの色の謎と、その背景にある物語を紐解いていきます。

✅ 結論:白い理由は「一つじゃない」

調査の結果、アジサイが白くなる理由は、病気も含めて主に4つあることがわかりました。

  1. 理由①:もともと白い品種(アナベルなど)
  2. 理由②:まだ色づく前の「咲き始め」
  3. 理由③:土の影響で色が出ない
  4. 理由④:本当に病気(うどんこ病など)

この記事では、それぞれの見分け方を写真付きで詳しく解説していきます。

📸 写真で見る「白いアジサイ」の世界

理由①:主役級の白!「アナベル」という品種

まずはこちらの写真を見てください。

箱根登山鉄道で撮影したアナベル
箱根登山鉄道で撮影したアナベル

これは「アナベル」という、もともと白い花を咲かせる人気の品種です。大きな手まり状の花が特徴で、病気では全くありません。むしろ、梅雨の時期の主役とも言える存在です。 土の酸度に関係なく白い花を咲かせるため、色の管理が難しいアジサイの中でも、安定した美しさを楽しませてくれます。

理由②:色の変化の途中です!「咲き始め」の白

アジサイの咲き始めで、まだ白っぽい状態
アジサイの咲き始めで、まだ白っぽい状態

実は、青やピンクのアジサイも、咲き始めはこんな風に白っぽい(または薄緑色)んです。 これは、花に含まれる葉緑素がまだ残っているため。ここから時間をかけて、土の性質に合わせてアントシアニンという色素が作られ、徐々に色づいていきます。 もし見かけた白いアジサイの中心部がまだ固く締まっていたら、それは「これから色づく」サインかもしれません。

🔍 元植木屋が解説!簡単セルフチェックと「挿し木」の知識

「じゃあ、うちの庭の白いアジサイはどれなの?」と思ったあなたへ。 簡単な見分け方フローチャートを用意しました。

  1. 葉の形は、柏の葉のように深い切れ込みがある?
    • → YES: カシワバアジサイという品種です。
  2. 花や葉の表面に、白い粉をまぶしたようになっている?
    • → YES: うどんこ病の可能性があります。早めに専門家や園芸店に相談しましょう。
  3. 大きな手まり状で、咲き始めはライムグリーンがかっている?
    • → YES: アナベルという品種の可能性が高いです。
  4. 上記に当てはまらず、花が咲き始めたばかり?
    • → YES: これから色が付く途中かもしれません。数日様子を見てみましょう。

そして、あのおばあちゃんがやろうとしていたかもしれない「挿し木」について。

アジサイは、切った枝を土に挿しておくだけで根付く、生命力の強い植物です。だからこそ、庭のアジサイを増やしたり、お知り合いにおすそ分けしたりする楽しみがあります。

しかし、それはあくまで「自分の庭の木」や「許可を得たもの」に限られます。 公園や他人の敷地のアジサイを無断で切ることは、マナー違反であるだけでなく、法律に触れる可能性もあります。美しい花を愛でる気持ちが、誰かを悲しませる行為に繋がらないようにしたいものですね。

🤔 まとめ:アジサイの色と、私たちの心の「色」

友人との会話から始まった色の謎。そして、電車で見たおばあちゃんの光景。

アジサイの色が土の性質や時間によって変わるように、私たちの行動も、知識や配慮という心の土壌によって、その「色合い」が変わってくるのかもしれません。

次にアジサイを見かけたら、その色の理由だけでなく、その花が誰に、どのように大切にされているのかにも、思いを馳せてみてはいかがでしょうか。きっと、いつもの風景が少し違って見えるはずです。


いつも応援ありがとうございます!

クリックいただけると励みになります。